Qtブログ(日本語)

アールト大学と探るAIインターフェース:Qt Groupの未来技術協業

作成者: Qt Group 日本オフィス|Dec 28, 2025 5:41:41 AM
このブログは「Exploring AI Interfaces with Aalto University: Qt Group’s Collaboration in Future Technologies」の抄訳です。

 

Sondre Ager-Wick

Director, Product Management, User Experience, Qt Group

Antti Kujala

Vice President, Design Tools, EMEA, Qt Group

 

Qtでは、イノベーションは協働によって育まれると信じています。そのため、大学との積極的な連携を図り、学生に現実世界の課題解決に取り組んでいただく一方で、新興技術に関する新たな視点を得ています。

その一例が、アールト大学Future Interfaces Labです。ここでは学生、教員、産業界のパートナーが一堂に会し、AIや未来技術がユーザー体験をどのように変革しているかを探求しています。この秋、Qtはアールト大学工業経営学部(TUTA)と連携し、「AIインターフェースと現実世界」という講義への貢献を行いました。

コースと課題

本コースでは、現実世界の課題に取り組むAI駆動型インターフェースの設計に焦点を当てました。学生たちは学際的なチームを組み、産業界のパートナー企業から提供された課題に対し解決策を開発しました。本年は、Qt Group、Nordea、Basemark、Sitra、およびアールト大学の教員陣から課題が提示されました。

4週間にわたり、学生たちはアイデアを調査・プロトタイプ化し、日常的な状況におけるAIエージェントの可能性の限界に挑戦しました。11月には、Qtは「Future Interfaces Lab」コミュニティイベントで学生たちの成果を拝見する機会を得ました。学生たちはAIエージェントを活用した最先端のアイデア、アプリケーション、可能性を披露し、そのプロトタイプは驚くべきものでした!

当社の課題:車内における情報過多の解消

Qtの課題に取り組んだ学生チームは、自動車業界が抱える課題に取り組みました。それは、視覚インターフェースがコックピットを支配し、接続サービスがシームレスな統合を欠くことが多い現代の車両において、情報過多をどう軽減するかということです。

彼らの解決策とは?Qt Agentというコンセプトです。これは自動車を第三の接続空間へと変革するプラットフォームです。音声インタラクションとAIエージェントを活用することで、ドライバーはわずか数回の音声プロンプトで複数のオンラインサービスやアプリケーションを操作できるようになります。これにより、運転はより安全で、よりスマートに、そしてより直感的なものとなるでしょう。

新たなインタラクションのパラダイムを共に探求

学生向けの課題概要は、Qt Groupのユーザーエクスペリエンスディレクターであるソンドレ アガー・ウィック氏と、デザインツール担当副社長であるアンティ クヤラ氏によって作成されました。この課題の目的は、学生たちにスマートシステムやサービスとの従来のインタラクション方法を超えた思考を促すことにあり、プロジェクト期間中は学生たちを指導しました。

アガー・ウィック氏と クヤラ氏は、このプロジェクトの結果について次のように述べています。「今回の初めての共同プロジェクトに非常に満足しており、学生たちが生み出した思考の成熟度とコンセプトの質の高さに深く感銘を受けました。AI搭載の製品、サービス、システムにおける次世代のユーザーインターフェースとユーザーインタラクションの定義に向けて、この協力関係がどこまで発展していくのか、本当に楽しみにしています。」

アールト大学産業工学・経営学部長、イェンス・シュミット氏は次のように述べています。「フューチャー・インターフェース・ラボでは、学生や研究者たちを、テクノロジーとの新しい関わり方に関する現実的な問題を抱える企業と結びつけています。AI エージェントのコースは、アールト大学の学生たちが、テクノロジー、デザイン、ビジネスの各分野に精通した学際的なチームを結成することで、どのようなことができるかを実証するものです。」

その重要性

このような共同研究は、単なる学術的な取り組みではなく、ユーザー体験を再定義するアイデアの創出の場です。Qt Groupでは、大学や学生との協力を通じて次世代の人材を育成しながら、ユーザー体験の未来を形作ることに取り組んでいます。

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