Qtブログ(日本語)

Qt for MCUs 2.12.1 LTS リリースと更新情報

作成者: Qt Group 日本オフィス|Apr 30, 2026 6:34:43 AM
このブログは「Qt for MCUs 2.12.1 LTS and Updates」の抄訳です。

Qt for MCUs 2.12.1 LTS がリリースされ、ダウンロード可能になりました。このパッチリリースは、Qt for MCUs 2.12 とのソース互換性を維持しながら、バグ修正およびその他の改善を提供します。本リリースでは新機能の追加はありません。 

すぐに使えるプラットフォームサポートの拡充 

AI 対応の Infineon PSOC Edge E84 SoC との緊密な連携を経て、Qt のオンラインインストーラーを通じて配布される公式 Tier-2 パッケージとして追加されました。これにより統合がよりシームレスになり、ユーザーは Qt のデザイン・開発ツール(Qt Creator)と ModusToolBox ツールチェーンを組み合わせて、PSOC Edge マイクロコントローラー向けの最先端 HMI アプリケーションを容易に設計・ビルド・デプロイできるようになりました。 

また、小型フォームファクター製品での迅速な開発開始を支援するために設計された PSOC Edge HMI キットのサポートも発表しました。これらのプラットフォームは、Infineon および Spyrosoft との協力のもと、先日閉幕した Embedded World Germany にてデモを実施しました。

Qt for MCUs は、フル Neo-chrome GPU サポートを備えた AI 搭載 STM32N6 マイクロコントローラーへ Tier-3 サポートボードとして移植されました。パッケージは Qt Company サポートへお問い合わせいただくことでリクエストできます。プラットフォームの完全な一覧はこちらでご確認いただけます。

今後のリリースでは、Nuvoton Gerda シリーズマイクロコントローラーのサポート強化が製品に追加される予定です。openVG ベースのレンダリングに対応した NXP RT700 MCU のサポートは、2026年5月に提供開始予定です。

 パフォーマンス可視化・監視ツール 

パフォーマンスはあらゆる現代的な HMI において中心的な要素であり、特にBoM コストが上昇している昨今においては重要な課題です。Qt for MCUs 向けビジュアルログアナライザーのテクノロジープレビューを作成しました。このツールにより、PC に接続したシリアルポート経由で複雑なログを素早く読み取り、ダッシュボードでパフォーマンスを可視化・監視できます。このツールを使用するには、Qul Platform レイヤーでパフォーマンスログを有効にする必要があります。 

このユーティリティは今後のリリースで公開する予定です。

消費電力の最適化

Qt for MCUs は、Infineon TRAVEO T2G MCU でのディープスリープモードをサポートするようになりました。マイクロコントローラーのソフトリセットやハードリセットなしに、QUL エンジンの完全な終了処理および再初期化が可能になりました。これにより、スリープモードが重要なスマートウォッチやその他のバッテリー駆動デバイスといった消費電力最適化が求められるユースケースに、Qt for MCUs が最適な選択肢となります。

この機能は 2.12 のカスタムリリースとして実装されており、今後リリース予定の MCU 3.0 で正式公開される予定です。

Qt for MCUs でコードカバレッジが利用可能に

組み込みプロジェクト向けの Qt Group の強力なマルチプロダクト製品群をさらに強化する形で、Coco コードカバレッジツールが Qt for MCUs に対応しました。

Coco には Qt for MCUs 対応ツールチェーン向けのコンパイラープロファイルがあらかじめ設定された状態で同梱されるようになり、手動でのツールチェーンセットアップが不要になりました。さらに、C++ と QML のカバレッジ結果を単一のインストルメンテーションデータベースにマージすることも可能になりました。

Coco はコードカバレッジに階層的なアプローチを採用しています。ホストベースの単体テストでコアロジックを素早く検証しながら、Coco Test Engine が手動テスト作成時に見落としがちなエッジケースを含むテストデータを自動生成します。これにより、組み込みアプリケーション全体で90%以上のカバレッジを達成できます。

詳細は関連するリリース投稿をこちらでご覧いただけます。

先行情報:ダイナミック アプレット システム

フラッシュ上のソフトウェア全体を書き換えることなく、稼働中のホスト MCU アプリケーション上で Qt for MCUs ベースのアプリを開発・インストールできる画期的な新機能を開発中です。Embedded World Germany イベントにてデモを披露しました。詳細は近日公開予定です!

修正されたバグの詳細については、Qt for MCUs 2.12.1 変更ログをご確認ください。

他の Qt 製品と同様に、Qt for MCUs 2.12.1 LTS はメンテナンスツールを使用して既存のインストールに追加するか、Qt Online Installer を使用してクリーンインストールすることで導入できます。

Qt for MCUs 2.12 LTS の標準サポート期間は2027年5月まで継続されます。