「MeeGo Seminar Spring 2010」に参加しました

The Linux Foundation の主催した「MeeGo Seminar Spring 2010」に参加してきました。
当初想定した定員100名を大きく上回る300名以上の参加があり、MeeGo に対する大きな期待を感じるイベントでした。

先日も書きましたが、MeeGo は Intel Moblin と Nokia Maemo を統合したオープンソースプロジェクトです。モバイルコンピュータ、ネットブック、メディアフォン、コネクテッドテレビ、車載インフォテイメントシステムなど幅広い機器向けのトータルパッケージの開発が進行中で、そのアプリケーション・UI 開発フレームワークとして Qt が活用されています。

福安氏(The Linux Foundation, Japan Director)による開会の挨拶に続き、Jim Zemlin 氏(The Linux Foundation,Executive Director)より、MeeGo はインターネット時代のターニングポイントであるとのプレゼンテーションがありました。

iPadが「Wonderful」であると連呼する Steve Jobs氏のビデオが流れた後、Free Software Foundation 創始者 Richard Stallman氏が「Freedom」と連呼するビデオを流しました。そして、インターネットがキラーアプリになっている中「Wonderful」かつ「Freedom」なソリューションが必要であり、それこそが MeeGo プロジェクトであると話されていました。ユーザーインタフェースも含めてシェアをしつつ、開発費削減と Upstream のサービスという新たな収入源により、これまで以上にビジネスを拡大するチャンスである、とのことでした。

「Linux がなければ、Google、Amazon、Facebook の今日があっただろうか?」と語っておりましたが、10年後には「MeeGo がなければ…」と語るような状況になるのかも知れないと予感をさせる、素晴らしいプレゼンテーションでした。
ちなみに、キーとなる技術として、PowerTop・FastBoot などともに QML(Qt Quick)がリストアップされており、Qt に対する大きな期待も感じられました。

Qt Development Frameworks からは、鈴木が登壇し「Qt の技術概要」と題して、Qt に初めて触れる方々向けにプレゼンテーションしました。

Qt の読み方は「キュート」というスライドから始まりましたが、まだまだ「キューティー」と呼ばれる方が多いのです。「キューティー」と親しんで頂いている方も多いので寂しさはありますが、「キュート」と統一をしていきたいと考えています。

その後、Qt の各モジュールをざっと紹介しました。最新版 Qt 4.6 では800以上のクラスがあり、全てをお話するのはさすがに時間が足りませんでしたが、基本的な機能についてはお話できたと思います。

そして、Qt Creator を使って、「Hello World」を表示する簡単なアプリケーション作成デモを行いました。フォントを変更したり、テキストボックスやボタン等の部品が簡単に追加されていくデモは、地味でしたが Qt Creator の基本機能をご理解頂けたと思います。
その後、応用編のブラウザ作成デモを行い、WebKit を簡単に使えることをご覧頂きました。

セミナー終了後の懇親会では、MeeGo ユーザー会立ち上げの発表もありました。すでにコミュニティーが活発に活動しているようで普及のスピードは早そうですね。

MeeGo の盛り上がりにより、さらに Qt が普及する。Qt の盛り上がりにより、さらに MeeGo が使いやすくなる。そのような相乗効果で、どちらのプロジェクトも成長していければと思います。

MeeGoプロジェクト公式サイト  http://meego.com


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