BUILT WITH Qt
Verge Motorcycles
6週間で磨き上げる、次世代のライディング体験
高速かつスムーズに走るイノベーション
85%
メモリ使用量の削減
6 週間
設計から本番投入まで
Verge Motorcycles は、電動二輪モビリティの未来を定義するために、従来の常識に挑戦しています。特許取得済みのモーター技術と革新的なデザインを武器に、ゼロから世界最高水準の電動モーターサイクルを生み出すことを目指しています。
同社は当初、別のツールを用いて TS Pro モーターサイクル向けの HMI を開発していましたが、多くの課題や頻発するクラッシュに直面していました。そこで Qt および Qt Design Studio に切り替えた結果、ローンチに間に合う形で、より優れたライディング体験を提供することに成功しました。
厳しいスケジュールに加え、最終製品においてデザインの意図を 1:1 で忠実に再現することも大きな課題でした。Qt と Qt Design Studio を初めてダウンロードしてから、実際にソフトウェアがモーターサイクル上で動作するまでにかかった期間は、わずか 6 週間でした。
Tero Ohranen氏, UX/UI デザイナー
Qt ソリューションハイライト
低メモリ使用量で、安定した動作を長期間維持
UI コンポーネントとアニメーションを効率的に作成
Figma から Qt Design Studio へ UI を簡単に移行
クロスプラットフォーム対応で、複数モデルやバリエーションに対応
パフォーマンスのボトルネックから、シームレスなライディング体験へ
Verge Motorcycles は、電動モーターサイクルにおいて非常に高い目標を掲げており、ユーザー体験を支えるヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)については、さらに高い完成度を求めていました。
Starmatter は、モーターサイクル向けとしては最先端クラスのシステムです。6 台のカメラと 2 基のレーダーにより車両周囲 360° を把握できるほか、加速度計、GPS、セルラー通信、Wi-Fi、Bluetooth などを搭載しています。ライダーは StarOS と呼ばれるインターフェースを通じて、パフォーマンスデータ、リアルタイムの安全アラート、シームレスなインフォテインメント機能などにアクセスできます。このシステムは、ライディング体験そのものを大きく進化させています。
Verge は当初、別のシステムを用いて StarOS を開発していました。しかしテスト段階で、重大な制約があること、そしてパフォーマンスが同社の高い目標水準に達していないことが明らかになりました。
実際に起きていたのは、時間の経過とともにメモリ使用量が増え続けるという問題でした。最初は正常に動作していましたが、次第にメモリを大量に消費するようになり、最終的にはデバイスの限界に達してクラッシュしてしまいます。原因の切り分けに時間をかけた結果、別のツールでソフトウェア全体を作り直す以外に根本的な解決策がないと分かりました。
― Tero Ohranen 氏
同様に重要だったのが、OTA(Over-The-Air)によるアップデートを提供できるかどうかという点です。モーターサイクルメーカーにとって、OTA アップデートは通常、サービスレベルの改善を目的としたものですが、Verge は単にユーザー向けの新機能を追加するだけでなく、トラクションコントロールの挙動やモーターの動作といった、車両の本質的な機能そのものを進化させたいと考えていました。
この時点で、Verge は非常にタイトなスケジュールに直面しており、品質を犠牲にすることなく、高いパフォーマンスと迅速な開発、そして OTA アップデートを提供できる新たなソリューションを見つける必要がありました。そこで同社が選択したのが、Qt でした。
私たちは、これまで別のツールで作り上げてきたものを Qt で再現するつもりでした。しかし、わずか 6 週間で、当初の想定を上回る成果を出すことができました。
Tero Ohranen氏, UX/UI デザイナー
Qt による 6 週間での完全移行
これらの課題を克服するため、Verge Motorcycles は Qt Group とパートナーシップを結びました。
同社は、わずか 6 週間で従来のシステムから StarOS を Qt へ移行することに成功しました。同時に、Qt Design Studio の使いやすさと Qt フレームワーク の高い汎用性を活用することで、新たな改良も加えています。このスピーディーな移行により、計画どおりのスケジュールを維持し、約束していた成果を確実に実現することができました。
Verge と Qt は、OTA アップデートを大幅に簡素化するために コンテナ化 を採用しました。これは、自動車業界では従来、複雑かつリソースを大量に消費するプロセスとされてきた分野です。
6 週間後には、以前のソリューションよりもさらに良い結果が得られました。動作はより高速で、信頼性も高く、メモリ消費に関する問題も一切発生しませんでした。
― Tero Ohranen 氏
Qt フレームワークと Qt 6 の柔軟性も、非常に大きな価値を発揮しました。Verge がオペレーティングシステムを移行する過程においても、既存の開発資産の多くを再利用できたため、ゼロから作り直す必要がなく、高コストな手戻りを回避することができました。
移行期間中、Verge は Qt Design Studio を活用し、コーディングスキルを持たないデザイナーでも UI を直接作成・改善できる環境を実現しました。ライブプレビュー機能により、レイアウトやインタラクションをリアルタイムで確認でき、開発サイクルの短縮と、デザインと実装の完全な整合性を確保しています。
私にとって最良のツールとは、クリエイティブなプロセスの妨げにならないものです。私は Figma と Qt Design Studio を並行して使用しており、非常に効率的なワークフローを構築できています。Qt Design Studio は、コンポーネントの作成やレイアウトにおいて、より直感的でインタラクティブに操作できる点が気に入っています。特に、完成形のビジョンが明確な場合には、製品を迅速に開発することが可能です。
— Tero Ohranen 氏
私のデザインプロセスは非常に直感的であり、Qt Design Studio はそれを妨げるのではなく、むしろ後押ししてくれると感じています。こうした点は、他のツールでは当たり前だとは言えません。
Tero Ohranen氏, UX/UI デザイナー
プレミアムなライディング体験
StarOS と Starmatter は、Verge のモーターサイクルにおいて、洗練された自動車グレードのライディング体験をライダーに提供します。
TS Pro に続き、今後登場する TS Ultra では、2 つの大型ディスプレイを搭載予定です。スマートフォン連携、リアカメラ映像、ブラインドスポット検知などの先進ライダー支援機能を、従来の車載インジケーターと統合して表示します。すべては Qt 上で構築されており、Qt 6 の最適化されたパフォーマンスによって、HMI は高い流動性と応答性を実現し、ライダーに自然で直感的な操作体験を提供します。
これらすべてを、低消費電力で実現している点も重要です。2 つのディスプレイは単一のユニットから駆動されており、グラフィック表現や機能性を犠牲にすることなく、バッテリー寿命を維持しています。これは電動車両において極めて重要な要素です。
以前のソリューションでは、RAM を 4GB 以上消費する状況に達していました。Qt に切り替えたところ、すぐに使用量は 0.5GB にまで抑えられ、しかも時間が経っても安定しています。これは 85%のメモリ削減に相当し、桁違いの改善です。
― Tero Ohranen 氏
さらに、Qt Design Studio の柔軟なスタイリングおよびテーマ設定機能により、Verge は StarOS のルック&フィールを完全にカスタマイズすることができました。その結果、競争の激しい電動モビリティ市場において、TS Pro および TS Ultra を際立たせる独自のブランドアイデンティティを確立しています。
将来を見据えると、Verge の成功は単一モデルにとどまりません。Qt フレームワークのクロスプラットフォーム対応により、最小限の開発工数で、複数のモデルやバリエーションに HMI を展開できる基盤が整いました。
Verge がグローバルに事業を拡大する中で、Qt Group との協業は、電動モビリティの未来をリードするための強力な後押しとなっています。
Qt チームは非常に柔軟で理解があり、共に仕事を進めやすい存在でした。Qt Design Studio や Qt フレームワークを使用する中でいくつかの気づきがありましたが、私たちが投げかけたあらゆる質問や懸念に対して、チームはすべて真摯に対応してくれました。その結果、ソフトウェア自体も私たちの具体的なニーズにより適した形へと実際に改善されていったのです。
— Tero Ohranen 氏
