Qt Design Studio 4.8 リリース

このブログは「Qt Design Studio 4.8 Released」の抄訳です。

Qt Design Studio 4.8 がリリースされました!

Qt Design Studio 4 の最新バージョンである Qt Design Studio 4.8 のリリースをお知らせいたします。本リリースは安定性とパフォーマンスに重点を置き、今後数年にわたりスムーズで信頼性の高い QML UI 作成体験を保証するための数多くの重要な修正を提供します。

当社の目標は、QML UI 作成を可能な限りシームレスにすることです。Qt Design Studio 4.8では、この取り組みをさらに強化しております。

加えて、本リリースはLTS(長期サポート)版として位置付けられております。これは、2年ごとに長期サポート版を提供するという方針に基づき、前回リリースされた4.1版(2023年第2四半期)に続くものとなります。

それでは、Qt Design Studio 4.8がもたらす新機能と、導入すべき理由についてご説明します。

基盤の大規模改善:新しいQMLコードモデル

Qt Design Studio 4.8では、内部における重要なエンジニアリングの節目を迎えます。主な焦点は、QMLの完全に新しい内部コードモデルの導入であり、これは開発IDEがコードファースト・アプローチをサポートするために実装された従来のコードモデルに置き換わるものです。従来のモデルはWYSIWYG GUI作成に最適化されていませんでした。コードモデルの中核は、Qtの組み込み型とプロジェクトのカスタムQMLコンポーネントのすべての型情報を追跡します。

本リリースでは、Qt Design Studioのパフォーマンスとツール要件に特化して設計された、ビジュアルGUI作成に最適化されたバックエンドを導入します。これをProject Storageと呼んでいます。この基盤的な変更は、アプリケーション内のほぼすべてのビューとコンポーネントの包括的なリファクタリングが必要な、大規模な取り組みでした。コア・アーキテクチャへの投資により、より堅牢で高性能なツールが実現し、今後の開発の基盤が整えられます。日々の作業にもたらされるメリットを見てみましょう。

定量化可能なパフォーマンス向上

このアーキテクチャの大幅な見直しにより、主要なワークフローにおいて大幅かつ測定可能なパフォーマンス向上が実現されました。当社のベンチマークがこれを実証しております。

  • 高速化されたナビゲーション:ファイルやコンポーネント間の切り替えに必要な時間が約50%短縮され、よりスムーズで応答性の高いデザイン体験が可能となりました。
  • Bridgeインポートの高速化: Bridgeインポート処理は平均で5倍高速化されました。

Qt Design Viewer ログイン機能の改善

Qt Design Viewerは、Apple Safari、Google Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefoxなど、デスクトップおよびモバイルデバイスで最も広く使用されているウェブブラウザ上でアプリケーションを共有できるツールです(https://designviewer.qt.io/)。Qt Design Studio 4.8 では、よりスムーズなユーザー体験を実現するため、ログインプロセスが合理化されました。組み込みのログインウィンドウを使用する代わりに、認証はシステム標準のウェブブラウザを通じて管理されるようになりました。この変更により、既存のブラウザセッションを活用し、パスワードマネージャーを利用することで、より迅速かつ便利なアクセスが可能となります。この最新の認証方式を採用することで、セキュリティを強化し、操作上の障壁を解消し、これまで以上に迅速にデザインに接続できるようになりました。

Qt Design Studio Bridge

現在、既存のブリッジコンポーネントをオープンソース化する可能性について検討を進めております。現時点では何も決定しておりませんが、適切な解決策が見つかれば、これらのレガシーブリッジ要素の継続的な開発はコミュニティによって管理される可能性があります。この実現をご希望の方は、ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください。

長期サポート戦略

Qt Companyでは、長期サポート(LTS)の手続きを定義しており、販売可能な各製品に対して2年ごとにLTSリリースを提供することをお約束しています。詳細については、下記リンクをご覧ください。https://www.qt.io/product/qt6/qt-long-term-support

Qt Design Studio 4.8はLTSバージョンとしてリリースされ、機能とワークフローが最大5年間サポートされることを保証いたします。初期リリースであるバージョン4.8.0には、いくつかの注目すべき機能が含まれております。5年間にわたり、定期的なアップデートとパッチも提供いたしますので、お客様の作業が中断されることはありません。

補足事項

今後追加予定の機能については、Qt Design Studio 4 ファミリーをテストプラットフォームとして活用させていただきます。これにより、現在開発中の機能をいち早くご覧いただけます。これらの機能には、今後のアップデートにおいて [beta] タグが付与されます。これらの機能のテストにご協力いただける場合は、設定画面にて実験的機能を有効にしてください。皆様からのフィードバックを心よりお待ちしております。

実験的機能を有効にする場所については、添付の画像をご参照ください。メインダイアログはQt Design Studioの設定内にございます。

インターネット接続は不要

Qt Design Studio 4.7より、これまでQt CreatorなどのIDEでエクスポートしたプロジェクトをコンパイルする際に別途ダウンロードしていたアドオンライブラリを統合いたしました。これにより、Qt Design Studioから開発者用IDEへの移行作業は、ネットワーク接続なしで完了できるようになりました。

改善内容の概要

不具合修正:今回のアップデートに関する詳細な情報(小規模な改善点や不具合修正を含む)は、当社の変更履歴に記載されています。

次のステップ

Qt Design Studioは、より迅速かつスマートなUI開発に必要なすべてを備えています。ぜひ当社製品をご覧いただき、無料評価版をお試しください。

Start Free Qt Insight Trial

Qt Design Studioについてさらに詳しく知りたいですか?ご安心ください。

不具合や操作上の問題が発生した場合は、バグトラッカーまでご報告ください。Qt Design Studioのユーザー体験向上に、常に努めてまいります。


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