Skip to main content

BUILT WITH Qt

中国端子

スケーラブルで高性能なデジタルメータークラスターを実現

車載向け高速かつスケーラブルなHMI開発

2 倍

速いUI引き渡しプロセス

30%

検証時間短縮

50%

開発者のオンボーディング時間を短縮

中国端子(CTE TECH CORP.)は、台湾を代表するティア1サプライヤーであり、幅広い車載用途向けにデジタルダッシュボードディスプレイを専門としています。

開発プロセス全体に Qt を導入することで、中国端子は UI 開発の効率を大幅に向上させ、カスタマイズにかかる時間を短縮し、デザイナーとエンジニア間の連携を強化しました。

Qt は単なる UI ツールではなく、長期的な製品開発を支える、包括的で安定したシステムアーキテクチャです。

Ditter Hung 氏, アソシエイトディレクター

Qt ソリューションハイライト

NXP やルネサスの MPU・MCU を含むクロスプラットフォーム対応

ダイナミックなダッシュボードやアニメーションのリアルタイムレンダリング

Qt Design Studio と Figma を活用したスムーズなデザインからコーディングへの移行

車載システムでの長期運用を支える高い信頼性と保守性

CTE-Built-with-Qt-06

サイロを越えて、よりスマートなインターフェースへ

中国端子は、幅広い車載用途向けにデジタルメータークラスターを設計・提供する、台湾のティア1サプライヤーです。同社は、世界を代表する18の自動車ブランドの中核サプライヤーかつ長期的な戦略パートナーとして、高い期待に応え続けています。その期待とは、現代的でレスポンシブなビジュアル表現、高速なカスタマイズ対応、そして全体としての信頼性です。

デジタルメータークラスターの設計・開発を担うのは、副社長のリサ・チェン氏が率いる事業部です。しかし、当初の開発プロセスは、デザイナーと開発者が別々に作業を進める分断されたワークフローによって非効率な状態にありました。UI コンセプトは静的なファイルとして手渡されており、それが解釈のずれや手作業での修正、長い反復工程を生み出し、チーム全体の対応スピードにも悪影響を及ぼしていたのです。

「UI デザインは静的な画像として渡されていたため、引き継ぎやコミュニケーションが非効率になっていました。デザインに変更があるたびに手動で実装し直す必要があり、そのたびに開発サイクルが長期化していた」とDitter Hung 氏は振り返ります。

複雑さはそれだけでは終わりませんでした。中国端子の製品は、NXP やルネサスのボードをはじめとする複数のプラットフォーム上で動作する必要があり、それぞれに異なるパフォーマンス特性や開発要件が存在していました。 

プラットフォームごとに別々のコードベースを維持することは、エンジニアチームにとって大きな負担となり、テストや検証の工数も増大していたのです。

さらに事業の拡大に伴い、OEMとのプロジェクトが増加する中で、従来の開発アプローチでは、現代の車載HMI開発に求められるスピードや柔軟性に対応できないことが明らかになりました。

マイクロモビリティ向け Qt の詳細を読む

Qt は、MCU から高性能 SoC まで幅広く対応しており、当社のマルチプラットフォーム戦略を力強く支える中核技術となっています。

Ditter Hung 氏, アソシエイトディレクター

スケーラブルでスムーズなソリューション

中国端子は、ワークフローの改善とマルチプラットフォーム戦略の支援を両立できる代替ソリューションの検討を開始しました。いくつかのオープンソース製品も候補に挙がりましたが、パフォーマンス、安定性、デザインとの統合といった重要な要素で十分な成果を得ることはできませんでした。

「Qt は MCU から高性能 SoC まで幅広く対応しており、当社のマルチプラットフォーム戦略と完全に一致しています。さらに、Qt Design Studio と Figma の連携が決め手となった」とDitter Hung 氏は語ります。

Qt は、複雑なイベントフローを効率的に管理できるシグナル&スロットベースの堅牢な C++ フレームワークに加え、UI/UX とエンジニアリングをつなぐデザイン環境を備えた、包括的なソリューションを提供します。

Qt Design Studio と Figma の連携により、CTE のデザイナーは、設計仕様を手動で変換することなく、そのまま量産に活用できるインタラクティブな UI アセットを提供できるようになりました。

「Qt Design Studio の導入により、デザイナーが自立して作業できるようになり、開発チームがそのまま使用可能なアセットを直接提供できるようになりました。その結果、やり取りの手間が大幅に減り、精度が向上し、製品の市場投入までの時間も短縮されました」と Ditter Hung 氏は語ります。

また、Qt の商用サポートと活発な開発者コミュニティの存在も、チームにとって大きな支えとなりました。これにより、習得までのハードルが下がり、導入のスピードも加速しました。

短期間のうちに、Qt は中国端子のすべてのデジタルメータークラスター開発の基盤となり、ハードウェアプラットフォームを問わず、一貫した開発体験を実現しています。

 

マルチプラットフォーム対応が必須で、OEMの厳しい要求にも応える必要がある当社のような企業にとって、Qt はまさに最適なソリューションです。

Ditter Hung 氏, アソシエイトディレクター

CTE-Built-with-Qt-03

測定可能な成果、そして未来へのビジョン

Qt の導入は、即座にその効果を発揮しました。ワークフローの効率化により、開発サイクルは加速し、チーム間の連携が強化され、成果物の品質も向上しました。

  • UI の引き渡しプロセスは2倍のスピード
  • OEM 向けカスタマイズの期間を約30%短縮
  • 開発者のオンボーディング時間を半分に削減
  • 検証時間を30%以上短縮
  • UI に関するバグが減少し、全体の安定性が向上
「テストとデプロイの一貫性が向上したことで、検証時間は少なくとも30%短縮されました。さらに、ワークフローの効率化により、顧客満足度も大きく向上しました」と Ditter Hung 氏は続けます。

業務効率の向上に加えて、Qt は中国端子にとって、より視覚的に洗練され、レスポンスの高い HMI を実現する手段にもなりました。ゲージやアニメーション、動的エフェクトのリアルタイムレンダリングが標準となり、グローバル OEM の高い期待にも応えられるようになりました。

「Qt は単なる UI ツールではなく、長期的な製品開発を支える包括的で安定したシステムアーキテクチャです。マルチプラットフォーム対応と厳格な OEM 要件が求められる当社のような企業にとって、Qt はまさに最適な選択肢です」と Ditter Hung 氏は締めくくります。

中国端子は、Qt の活用範囲をデジタルメータークラスターにとどまらず、HVACコントロールやセカンダリーディスプレイなど、他の車載システムへと拡大する計画です。また、ISO 26262 の機能安全要件への対応に向けて、Qt Safe Renderer の導入も検討しており、社内チーム全体で Qt の専門知識を広めるためのトレーニングプログラムの構築も進めています。

Qt for Device Creationの詳細

CTE-Built-with-Qt-logo

中国端子について

1973 年に設立されて以来、自動車業界におけるイノベーションをリードし続けているグローバル企業です。同社は、自動車、二輪車、建設機械、農業機械向けに、高い信頼性を備えた製品とサービスを提供しています。

中国端子は、自動車および二輪車向けのワイヤーハーネス、デジタルダッシュボードディスプレイ、設計サービスを専門としており、独自のカスタマイズを重視した高品質な製品・サービスの提供に取り組んでいます。

また、同社は市場競争力を高める部品の供給を通じて、顧客に新たな価値を創出することを目指しています。企業統治、法令遵守、持続可能性、環境保護といった分野でも、積極的に社会への貢献を果たしています。

他の導入事例

Qt for MCUs についてもっと知る

Qt for MCUs