メンテナンス期間と
セキュリティアップデート
Qt のメンテナンスリリースおよびセキュリティパッチの提供状況は、Qt 商用版と Qt コミュニティ版で異なります。これは、セキュリティの確保や規制遵守を実現するうえで、特に注意すべき重要なポイントです。
ニーズに合わせたメンテナンス
Qt のライセンスを選択する際には、メンテナンス期間に大きな違いがあることを理解しておくことが重要です。
長年にわたる安定性
Qt LTS リリースのメンテナンス期間
商用 Qt LTS (長期サポート ) リリース は、製品を本番環境で運用するための長期的な安定性を提供します。LTS リリースは互いに重複する期間があるため、次の LTS への移行も計画的に準備できます。
最低 5 年間のメンテナンス
Qt LTS リリースでは、以下のように長期間のサポートとメンテナンスが提供されます。
- Qt 6.8 以降:5 年
- Qt 6.5 まで:3 年
Qt LTS を利用するお客様は、リリースのメンテナンス期間中、メンテナンスリリースおよびセキュリティパッチを公開と同時に受け取ることができます。これらの期間は、追加サービスによってさらに延長することも可能です。
Qt LTS リリースの詳細はこちら
開発の継続性
マイナーリリースの
メンテナンス期間
LTS リリースの間に提供される通常のマイナーリリースは、Qt 商用版を利用するお客様により、製品開発やテスト目的で活用されることが多く、次の LTS へ切り替える前に新機能や改善された機能を取り込むための基盤となります。
12 か月間のメンテナンス
マイナーリリースの利用者は、各マイナーリリースごとに 12 か月間、メンテナンスリリースおよびセキュリティパッチを公開と同時に受け取ることができます。開発中の製品の次期バージョンに対して、提供され次第これらをバックポートしておくことで、次の LTS リリースへ更新する際には、すべてが準備済みかつ十分にテストされた状態で移行できます。
Qt 商用ライセンスの詳細はこちら
頻繁なアップデート
Qtコミュニティ版のメンテナンス期間
Qt のオープンソースであるQt コミュニティ版を使用する場合、最新の状態を維持するために、より頻繁な手動作業が必要になります。特にセキュリティパッチへの対応では、その点に注意が必要です。
初期サポート後に提供される遅延パッチ
Qt コミュニティ版のリリースでは、次のマイナーリリースが公開されるまで(おおよそ 6 か月間)、メンテナンスリリースが提供されます。その後の更新は「遅延パッチ」として扱われ、商用版のリリースから約 12 か月後に提供されます。
Qt コミュニティ版の利用者には、以下の 2 つの選択肢があります。1 つ目は、約 6 か月ごとに公開される新しいマイナーリリースへ都度アップデートする方法です。2 つ目は、最新のメンテナンスリリースからセキュリティパッチを手動で適用・統合する方法です。
Qt コミュニティ版の詳細はこちら規制遵守への注意
Qt 商用版と Qt コミュニティ版のどちらを選択するかを検討する際には、EU サイバーレジリエンス法(CRA)など、強化が進むサイバーセキュリティ関連規制を十分に意識する必要があります。これらの規制では、脆弱性管理、ライフサイクル全体にわたるセキュリティアップデート、サプライチェーンの透明性といった義務が求められますが、商用版の Qt が提供する長期のメンテナンス期間や、すぐに利用できるビルディングブロックを活用することで、これらへの対応は大幅に容易になります。
追加のサポートとメンテナンス
標準のメンテナンス期間を超えて、サポート、メンテナンス、またはセキュリティパッチが必要な場合でも、延長の選択肢があります。
リリースとライセンスについてさらに詳しく
定期的な Qt フレームワークのリリースサイクルと柔軟なライセンスオプションにより、製品の要件に最適な選択が可能です。