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BUILT WITH Qt

フォルクスワーゲン

キャンピングカー向けの高度なコントロールパネルを構築

高性能HMIがもたらす新たなユーザー体験

50%

メモリ消費削減を実現

新型 フォルクスワーゲン・カリフォルニア のキャンピングカーは、冒険と快適さの融合を目指して設計されています。乗客エリアの空調制御、車内ヒーター、アンビエントライトの調整など、さまざまな機能を搭載しており、すべては5インチの縦型タッチディスプレイを備えたコントロールユニットから操作可能です。

Desay SV は、フォルクスワーゲンのユーザーに最高のユーザー体験を提供するため、Qt および Vector と連携して開発を行いました。

キャンピングカーの発売日が近づく中、5インチのリアタッチスクリーンに対して新たなソリューションが求められていました。その新製品は、わずか数週間で完成しました。

Qt ソリューションハイライト

高性能かつ高品質なグラフィックスを実現する Qt for MCUs

CPU・RAM・ROM 使用量を大幅に削減

Qt for MCUs によるルネサス RH850 上での高い柔軟性と操作性

Vector MICROSAR Classic によるリアルタイム性能

Qt Group・Vector 両社によるローカルサポート体制

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HMIの課題を乗り越えたカリフォニア・プロジェクト

新型カリフォルニア・キャンピングカーで、フォルクスワーゲンは「自宅のような快適さを保ちながら自然を楽しめるRV」の実現を目指しました。Desay SV は、ドライバーと乗員にとってシームレスな体験を提供するため、HMIの開発に長らく取り組んできました。

キャンピングカー後部用のコントロールパネルとして、5インチの縦型タッチスクリーンを備えた複数のプロトタイプが開発されていました。このパネルでは、エアコンの設定、補助ヒーターの操作、アンビエントライトの調整など、さまざまな機能にアクセスできます。

しかし、採用されていたHMIフレームワークには、いくつかの制約があることが判明しました。

たとえば、タッチスクリーン上でのスワイプやスクロール操作に遅延が感じられたり、画面遷移のアニメーションが滑らかでなかったりと、全体的なユーザー体験に影響を及ぼしており、これはフォルクスワーゲンの期待には応えられないものでした。

キャンピングカーの発売が間近に迫る中、Desay SV は他の選択肢を検討する必要に迫られました。時間との戦いのような状況の中で、彼らは「期待通りの成果を出せるツール」と「信頼できるパートナー企業」を探し求めていました。

オートモティブにおけるQtについて

Desay SV は、当初掲げた大胆な目標を実現しただけでなく、コスト削減も達成しました。

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移行を加速させた連携の力

Qt Group と Vector Informatik の緊密なパートナーシップにより、Qt はすでにターゲットプラットフォーム向けの AUTOSAR 対応 Qt for MCUs ソリューションを用意しており、これが短期間での対応を可能にし、顧客の課題に的確に応えるソリューションの提供につながりました。

短期間の評価を経て、Desay SV は Qt の MCU 向けソリューションと VectorのMICROSAR Classic スタックを採用することを決定しました。3社のチームは緊密に連携し、あらゆる課題に対応しながら、先進的なHMIの実現に向けて取り組みました。

新製品はわずか数週間で完成しました。Qt と Vector は、既存のビジネスロジックや通信インターフェースなどのコードを可能な限り再利用できるよう、ルネサス RH850 上で動作するようにアーキテクチャを再設計する支援を行いました。その結果、スワイプやスクロール動作はより滑らかになり、アニメーション効果も強化され、ユーザー体験が大幅に向上しました。

さらに Qt チームは、パフォーマンス向上とメモリフットプリントの削減に向けた最適化を実施しました。その結果、推定で約50%のメモリ使用量削減を実現し、ドキュメントの品質向上にも貢献しました。

このプロジェクトを成功に導いた主な要因は、Qt for MCUs の卓越した柔軟性と使いやすさ、Vector の MICROSAR Classic によるリアルタイム性能、そして両チームによるローカルサポート体制です。Desay SV は当初の野心的な目標を見事に実現しただけでなく、コスト削減も達成しました。

このプロジェクトを成功に導いた主な要因は、Qt for MCUs の卓越した柔軟性と使いやすさ、Vector の MICROSAR Classic によるリアルタイム性能、そして両チームによるローカルサポート体制です。Desay SV は当初の野心的な目標を見事に実現しただけでなく、コスト削減も達成しました。

Video Thumbnail

自動車におけるデジタル体験の未来を切り拓く

フォルクスワーゲン・カリフォルニア・プロジェクトにおける Qt と Vector の成功した協業は、互いの強みを活かすことで業界をリードするパートナーシップを実現しました。Vector の MICROSAR Classic は、堅牢で実績ある基本ソフトウェア(BSW)を提供し、Qt for MCUs の Complex Device Driver(CDD)とのシームレスな統合を可能にします。そのモジュラーアーキテクチャ、リアルタイム性能、そして ISO 26262 ASIL D に準拠した安全性により、Desay SV の要件に最適化された信頼性・拡張性に優れたソリューションが構築されました。

さらに、Vector の DaVinci Configurator Classic は、直感的なグラフィカル設定、コードの自動生成、強力なバリデーション機能により、開発プロセスを効率化します。
一方で、Qt for MCUs は、高性能かつ軽量なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ソリューションを提供し、リソースに制約のあるマイコン上でも、リッチで滑らかなビジュアル表現を可能にします。

さらに、機能安全規格への対応が求められるプロジェクトに対しては、Qt Safe Renderer  が Qt for MCUs とシームレスに統合できる、機能安全(FuSa)認証済みの拡張機能を提供します。これにより、安全性を確保しながらも、ユーザー体験を損なうことなく実装が可能です。

Qt Group と Vector は連携することで、統合に伴う複雑さを排除し、すぐに導入可能なソリューションを提供しています。これにより、開発期間の短縮、リスクの軽減、製品品質の向上が実現されました。本パートナーシップは、安全性、パフォーマンス、そして美しいデザインを融合させ、ドライバーと乗員の双方に感動をもたらす、次世代の車載体験を形づくる原動力となるでしょう。

Qt for Device Creation について詳しく見る

 

※この動画は Autogefühl によるものです。
フォルクスワーゲン・カリフォルニア・キャンピングカーの詳細なレビュー動画は、こちらからご覧いただけます。

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フォルクスワーゲン グループについて

フォルクスワーゲン グループは、ドイツ・ヴォルフスブルクに本社を置く、世界有数の自動車メーカーです。ヨーロッパ17か国およびアメリカ大陸・アジア・アフリカの10か国において、合計115の生産拠点を展開しており、世界中で約68万人の従業員を擁しています。同グループの車両は、150か国以上で販売されています。

世界的に強力なブランド群をはじめ、大規模に展開する先進技術、将来の収益源を見据えた革新的なアイデア、そして起業家精神に富んだリーダーシップチームを武器に、フォルクスワーゲン グループはモビリティの未来を形づくることに尽力しています。その取り組みは、電動化・自動運転・デジタル化・サステナビリティへの投資においても明確です。 目標は、「グローバル・オートモーティブ・テック・ドライバー」として、エントリーモデルから高級車セグメントに至るまで、世界中の顧客に最高の自動車技術を提供することです。

 

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Desay SVについて

Desay SV は、スマートモビリティの実現に取り組む世界有数のモビリティテクノロジー企業のひとつであり、「すべての人に、よりスマートなモビリティを」提供することを使命としています。

同社の主力事業は、スマートキャビン、スマートドライブ、スマートサービスという3つの主要領域におけるフルスタック統合にフォーカスしており、ハードウェアとソフトウェアアルゴリズムを高い次元で融合させた先進技術の開発を継続的に推進しています。Desay SV は、世界中のお客様に対して、安全で快適、かつ持続可能なモビリティソリューションとサービスを提供しています。

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