Back to Blog home

QNetworkAccessManager での HTTP のスレッド化

Published on Monday May 02, 2011 by 鈴木 佑 in Performance Network WebKit リサーチプロジェクト | Comments

この記事は Qt Blog の "Threaded HTTP inside QNetworkAccessManager" を翻訳したものです。
執筆: Markus Goetz 2011年4月29日

みなさん、こんにちは。Markus です。これは Labs での私の初めての記事になります :-)

少し前に QNetworkAccessManager が HTTP リクエストを別スレッドで動かすための変更を加えました。これについての詳細を求める声があったため、この記事を書きました :-)

この背景には(WebKit1 をベースにした) QtWebKit の動作が関係します。ウェブブラウザは基本的にとても多くの処理を行います。HTML や CSS の解釈、JPEG や PNG の画像データの表示可能な形式へのデコード、ページのレイアウト、ユーザーからの入力への反応、素晴らしい Web 2.0(もう 3.0?)の世界の Javascript の実行などが必要です。

ネットワークの処理がブラウザ内で同じスレッドで動作している場合、上記の処理の実行中にはネットワークの処理は先に進みません。ネットワークをトレースしたところ、"synchronization points" と呼ばれる現象が起こっていました。これは QtWebKit がメインスレッドでビジー状態にありイベントループをブロックしているため、ネットワークのリクエストが送られないという現象です。最悪なケースでは HTTP サーバーが データの送信を停止します。特に、通常のデスクトップ PC よりも処理能力が低くネットワークのレイテンシが高い場合にこの傾向は強くなります(モバイル端末の世界へようこそ!)。

これに対する解決策はいくつかあります。

  1. QtWebKit を別スレッドに移し、ネットワークをユーザースレッドに残す
  2. QNetworkAccessManager 全体を別スレッドに移す
  3. QNetworkAccessManager の HTTP の処理を別スレッドに移す

我々が選択したのは 3 番です。

技術的にはこれは [qt QNetworkAccessManager] 内に別のレイヤを作ることで処理しています。実際の HTTP プロトコルのコードは全く変更しておらず、QNetworkAccessManager がそれを処理する方法を変更しただけです。もちろん、あなたのコードや QtWebKit のコードも変更する必要はありません。これにより、Qt 4.8 では特に何も変更せずともこの恩恵を受けることができます。

今すぐ試したい方は earth チームのリポジトリをご覧ください。バグを見つけた方は 報告 をお願いします :)

この変更では、(Qt の内部に HTTP スレッドで動作する)新しいクラス QHttpThreadDelegate が追加されており、このクラスが HTTP のコードを制御します。このクラスは(こちらも内部クラスでありユーザースレッドで動作する) QNetworkAccessHttpBackend によりシグナル/スロットを通して制御されます。

PS: 世の中には様々な噂が流れているようですが、このところ Qt は着実に前進していますし、これからもし続けます。あなたがこの記事を読んでいる間にも我々は WebKit2 により QtWebKit 全体をさらに非同期化するための作業を行っています! :)

Subscribe to Our Blog

Stay up to date with the latest marketing, sales and service tips and news.