Google Playストアに公開されているQtアプリケーションをお持ちの場合、最近Googleからの最新機能や要件に基づくアプリケーションの更新を促す通知を数件受け取られたかもしれません。最新の要件を確認し、アプリケーションを良好な状態に保つための簡単な方法をご紹介します。
Google Playストアの要件
Android 15のサポート
アプリケーションの更新または新規アプリケーションのGoogle Playストアへの公開を予定されている場合、Android 15のサポートが必須となります。当初の期限は2025年8月31日でしたが、Playコンソールを通じて2025年11月1日までの延長を簡単に申請できます。テレビ向けアプリおよびAndroid Automotiveアプリには例外が適用されますので、詳細なガイドラインはこちらでご確認ください。
リンク先から引用:
2025 年 8 月 31 日以降:
- 新しいアプリとアプリ アップデートを Google Play に送信する場合は、Android 15(API レベル 35)以降を対象にする必要があります。ただし、Wear OS、Android Automotive OS、Android TV アプリは Android 14(API レベル 34)以降を対象にする必要があります。
- 既存のアプリは、アプリの対象 API レベルよりも高い Android OS を搭載したデバイスの新規ユーザーが引き続き利用できるようにするため、Android 14(API レベル 34)以降を対象にする必要があります。Android 13(API レベル 33)以前(Wear OS と Android TV の場合は Android 12(API レベル 31)以前)を対象とするアプリは、アプリの対象 API レベル以下の Android OS を搭載したデバイスでのみ利用可能となります。
アプリの更新にさらに時間が必要な場合は、2025 年 11 月 1 日までの期間延長をリクエストできます。アプリの期間延長フォームには、年内に Google Play Console でアクセスできるようになります。
最新のQtバージョンはすべてAndroid 15を既にサポートしております。この警告が表示された場合は、Qtメンテナンスツールまたはお好みの配布チャネルから新しいQtリリースをダウンロードし、必要に応じてAndroidマニフェストを更新の上、アプリケーションを再ビルドしてください。これにより、Android 15だけでなくAndroid 16への対応も実現します。
エッジ ツー エッジ対応
Google Playコンソールからの次の要件は、ディスプレイのフロントカメラモジュールなどの表示カットアウトに関するものです。これはAndroid SDKバージョン35(Android 15)の要件として導入されました。詳細についてはこちらをご覧ください。
動画出典:developers.android.com
Qtでこれを解決するには、Android 15をサポートするアプリに更新する必要があります。SafeAreaサポートの詳細については、当社のブログ記事をご参照ください。
16KBページサイズサポート
Google Playコンソールからの最新の要件は、16KBページサイズのサポートに関するものです。公式発表はこちらでご確認いただけます。Android 15以降、16KBページはAndroidデバイスの開発者向けオプションで有効化可能ですが、Android 16では自動的に有効化される可能性があります。16KBページの背景にある考え方は、アプリケーションの起動時間の短縮、バッテリー使用量の改善、システム起動の高速化です。
リンク先から引用・訳:
2025年11月1日より、Google Playに提出される新規アプリおよび既存アプリのアップデートで、Android 15以降を対象とするものは、64ビットデバイスにおいて16KBページサイズをサポートする必要があります。
この機能をアプリケーションに実装するには、Android 15をサポートするQtバージョンのいずれかでアプリケーションを再ビルドする必要があります。バージョン別の対応状況は以下をご確認ください。
アップグレード方法
Qt for AndroidおよびQt Quick for Androidの各バージョンと、長期サポート(LTS)バージョンを含むAndroidバージョンの対応状況についてご説明します。
6.5 LTS
- Android 6 ~ 15 対応
- 新しいAndroidバージョンの更新は提供されません
- 16KBページサポートは、商用顧客向けに2025年11月に6.5.11で提供開始予定です(LTSのため)
6.8 LTS
- Android 9 ~ 15 対応
- Android 16サポートは、商用顧客向けに2025年10月に6.8.5で提供開始予定です (LTSのため)
- Android 17のサポートは、Android 17が2026年初夏にリリースされた場合、2026年夏に提供開始予定です
- 16KBページサポートは、商用顧客向けに2025年10月の6.8.5で提供開始予定です(LTSのため)
6.9
- Android 9 ~ 15 対応
- Android 16のサポートは、2025年9月下旬に6.9.3で提供開始予定です
- 16KBページサポートは、2025年10月に6.9.3**で提供開始予定です
- 新しいAndroidバージョンの更新は提供されません
** FFMPEGはまだ16KBページに対応していませんが、6.9.4で完全に対応予定です
6.10
- 6.10 は 2025年10月にリリース予定です
- Android 9 ~ 16 対応
- 16KBページを標準でサポート
- 新しいAndroidバージョンの更新は提供されません

各Qtリリースにおけるサポート対象Androidバージョンの選定ガイドラインは、以前 「Qt for Android サポートバージョンガイドライン」という投稿で説明されました。Qtリリースは引き続きAndroid NDKのLTSバージョンをサポートします。
現在、Android 9(API 28)はリリースから7年が経過しており、APIレベルによると、デバイスの約3.2%に導入されています。この割合は今後も低下し続ける可能性が高いですが、一部のユーザー様からは、Android TVデバイスが依然としてAndroid 9を使用していること、またAndroid 9を搭載したテレビが今後数年間は市場に残り続ける可能性があることについて懸念が寄せられています。現時点では、Android 10以降の市場シェアが90%に達するまで、Android 9を最低サポートSDKとして維持する計画です。最新の予測では、2027年春にリリース予定のQt 6.13まで継続される見込みです。